SONY ICF-5900

学生を中心にBCLブームというのが有った時代、SONYが渾身の力で世に出したラジオ、ICF-5900は
それまでの放送が始まってから受信ポイントを探るのが当たり前だったスタイルを一新。放送が始まる前に
周波数を合わせて待機が可能になった訳です。もちろん当時でもお金さえ出せば周波数直読受信機が有り
容易く海外放送が聞けたのでしょうけど、安価なラジオというジャンルでは中々出来ない芸当でした。
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27.144MHzを聞く場合は上のダイアルを27.000MHz近辺に回してX-TALマーカーをON。ピーという
発振音がメーターで最大限振れる位置へと更にダイアルを合わせます。この作業でピー音が色々変化して
静かになった点(ゼロビート点)に合わせたら完璧。で、上手く合わせたらX-TALマーカーOFFにします。
それから下のダイアルでプラス側に144辺りのメモリまで回せば概ね27.144MHzに合う訳です。
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X-TALマーカーは250kHzで発振しているので、例えば27MHzで有れば26.750、27.000、27.250
27.500・・・と250kHzごとに発振音のピークが有る訳で、それを上のダイアルで合わせるという事ですね。
それから後に下のダイアルで左右に回すと+-250kHz(10kHzごとに印有り)受信周波数を変更させて
目的の周波数付近に合わせられるという事です。1kHz単位で合わせるのは難しいのですが5kHz単位なら
概ね正確に捉える事が可能。
 
このメインダイアル(上のダイアル)と下のサブダイアル(スプレッドダイアル)を駆使してラジオを聞く作業が
大変面白い。これで目的の周波数に合わせてちゃんと放送が聞こえてきたときは嬉しかったりします(笑)
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アンテナは上部レバーを回せば飛び出るタイプ。ライトスイッチも上部に有りますがココの飾りプレートの
接着が弱い様で外れて無くなっている個体多し。当機も紛失、仕方なく黒いゴムプレートを張り付けました。
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裏面には外部アンテナ端子が有ります。このクラスのBCLラジオじゃ付いてないとダメですからねぇ。
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機種銘板も裏に。受信周波数は見ての通り。
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側面は入出力端子。これまたこのクラスのBCLラジオの標準的な内容。
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反対側側面にはイヤホンポケット装備。
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アナログBCLラジオとして後から出てくるナショナルRF-2200と双璧を為す製品。5800を使っていた頃は
カタログ見て欲しいなぁ~と。それから30年の時を経て入手したコイツ、今も使って楽しいというのが凄い。
出来れば完全整備してフィールドで海外局受信させてみたいと思ってます。
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